「子どもがいるから」とあきらめないで 夢の実現に向かって学ぶ
姫島勢津子さん
納税協会勤務を経て、現在は看護専門学校生。
母子家庭で子育てをしながら看護師めざして勉強中。
年齢や学費、子どものことを考えると迷いがあって当然かもしれない。それでも姫島さんはチャレンジを選んだ。「まだまだ長い人生、やりがいを感じることをしたい」という言葉は私たちにも勇気をくれる。
きっかけはTVニュース
「数字がとても苦手なのに、納税協会に就職してしまったんです」と姫島さんは振り返る。ボランティア活動に興味があり、求人募集にあった「社会貢献の仕事」というフレーズに惹かれて応募したが、税の知識も興味もまったくなかった。職場で教えられることが覚えられず、自分はここでは役に立ってない、と自信を喪失した。もっとやりたいこと、できることが他にあるはずとジレンマを感じる日々だった。
そんなある日、アフリカの時事ニュースを見た。乏しい医薬品の中、懸命に働く看護師達の姿を見たとき、「やってみたい」と思った。いつか子どもたちも自分のもとから巣立っていく。その後自分が本当にやりがいを感じることをしながら生きていくにはこれしかないと感じた。「30代半ばという年齢や看護専門学校の学費のことを考えると、迷いもためらいもありましたよ。でも、逆に言えばまだ30代半ば。これからの自分の人生の長さを考えると、チャレンジしようって思ったんです」。1年間予備校に通っての受験勉強では、「なりたい自分のために、と苦手な数学もがんばれた」と笑う。そして迎えた看護専門学校の入学試験。強い決意と思いは実を結び、無事、載帽式を迎えた。
今だからこそ、「まなび」の中で気づく事がある
学校では20代から40代まで、幅広い年代の人達が勉強している。めざすものは同じ看護師だが、それぞれにとりまく環境が違い、価値観も違う。ひとつのことにもいろいろな考え方があり、自分を見つめなおすこともできる。
家事・子育てと勉強との両立は本当に忙しい。でも、幸いにも両親が近くにいるので、とても助けてもらっている。
看護師としての勉強はこれからが本番。実習の時間も多くなるが、事前学習やレポートの多さに人の命を預かる仕事の大変さを改めて実感している。「身を引き締めてチャレンジしていきたい」と凛とした表情を見せた。
看護師デビューは40歳
だけど、始まりに年齢は関係ない
将来については小児科の看護師を希望している。「未来があるのに難病と闘わなければならない子どもたちの夢を、支えてあげられるような看護をしたい」と語る。また、将来フランスに暮らすことも夢の一つ。その夢のためにフランス語の勉強もずっと続けている。
夢がある人は、他の人の夢も支えてあげられる。チャレンジを重ねて、夢をかなえていく姫島さんは、他の人の夢も支えてあげられるに違いない。
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