リストラをきっかけにキャリアコンサルタントへ転職
これまでの積み重ねを生かしていきたい
岡 アユ美さん
平成17年秋、旅行会社管理職からキャリアコンサルタントへ転職。現在、大阪市自立支援事業の一環である「母子家庭等就業サポーター」として各区の保健福祉センターで母子家庭のお母さんからの就業相談に応じている。]
突然のリストラに途方にくれた岡さん。そんな中、何ができるのか悩み続けた彼女が見つけたのは、これまでの自分を生かす「キャリアコンサルタント」としての仕事だった。
このままの生活がつづくと信じていた
平成17年春、長年にわたり勤務していた旅行会社から突然言い渡された「縮小のための整理解雇」がすべての始まりだった。「母子家庭になってからも生活を支えてきた仕事だったから、このままずっと続いていくものだと信じていましたね」。それだけにショックはとても大きく、これから自分は何をしたいのか、何をすればよいのか、何日も悩み続けた。
そんな日々の中、「大阪市政だより」で目にしたのが「母子家庭のお母さんをキャリアコンサルタントとして養成する」との募集記事。訪れたガイダンスで「相談者が持っている素晴らしいものを引き出して、その人の適職と結びつけるのがキャリアコンサルタントです」と語る講師の言葉に、自分のめざすべきものがはっきり見えた気がした。会社の中での自分、色彩心理インストラクターの活動で経験した子育てカウンセリング、そして母親としての自分…さまざまな経験で得た役割や価値観をすべて集約する仕事ではないか、と感じたのだ。「私のめざすものが始まる」そんな思いでチャレンジした養成講座と資格試験だった。
新しい仲間との出会いはチャレンジから
「長い間企業で仕事をしてきたでしょう。それだけに、平日の昼間に仕事をせずにいる状況には焦りや不安がありましたね」。養成講座を受けているとき、そして試験勉強をしているときにもこのような思いには悩まされた。そんな毎日の中、同じ目的を持ち励ましあう講座の仲間たちの存在は大きな支えだった。
歳をとればとるほど、だんだん新しい出会いは少なくなっていく。何かにチャレンジをすることは、同じ目標を持つ仲間にも出会えることにもつながる。「チャレンジすることの素晴らしさを実感しました。」
今はやっとスタート地点
キャリアコンサルタントとしてのスタートは大阪市母子家庭等就業サポーターとしての仕事である。母子家庭のお母さん方にとって経済的な自立は、長い階段を一段ずつ上がるチャレンジの連続。それを長い目で見ながら、彼女たちの気持ちを受け止め、さまざまな情報を提供しながら一歩一歩を支援していく。「講座も試験も『スタートするための勉強』が終わっただけ。私自身にとっても、登り始めたばかりの長い長い階段ですね。」
今後の仕事には、これまで勉強を重ねてきた色彩心理インストラクターとしての知識も生かしていきたいと語る。気持ちが変化するにつれて好ましく感じる色が変わっていくように、色と心はつながっているもの。「その知識を仕事に取り入れながら、私なりのキャリアコンサルタントとしてのカラーを出せればと思っています」と、岡さんは新たな意気込みを見せてくれた。
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