日韓・男女共同参画のまちづくりフォーラム
“女性にやさしいまちづくり”は“人にやさしいまちづくり 報告
フォーラムには、170名を上回る多くの方に、ご参加をいただき、「女性にやさしいまちづくりを進めることは、誰もが安心して安全に暮らすことができ、世界から人が集まる魅力的なまちにつながる。」という趣旨のもと、日韓それぞれのまちづくりについて事例が報告され、意見交換が行われました。
日時
平成22年7月17日(土) 場所 クレオ大阪中央 主催 大阪市 (財)大阪市女性協会 共催 大阪市地域女性団体協議会 ソウル市女性家族財団
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午前の部 基調対談
ソウル〜女性にやさしいまち〜
発表者 ソ・ヨンジュ(ソウル市女性家族財団 政策開発室長・写真左)
聞き手
細見 三英子(ジャーナリスト、大阪市男女共同参画審議会会長・写真右)
女性にやさしいまちプロジェクトは、女性にとって不安・不快がなく、便利で安全な都市空間をめざすべく、ソウル市政全体で取り組んでいるプロジェクトである。ソウル市長と女性職員の会合において、女性職員から「ハイヒールでも歩きやすい道路をつくってほしい」との意見があったことが契機とのこと。ソウル市が取り組む「女性にやさしいまちプロジェクト」の説明がなされた 。
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午後の部 事例発表とパネルディスカッション
“女性にやさしいまちづくり”取組事例〜「実践」から「評価」まで、そして「未来」に向けて〜
パネリスト
ムン・ウニョン(ソウル市女性家族財団 研究員)
苫名 正(株式会社竹中工務店営業本部専門役)
吉村 八重子(大阪市地域女性団体協議会会長、大阪市男女共同参画審議会委員)
杉本 佳英(大阪市市民局長)
槇村 久子(クレオ大阪研究室長、京都女子大学教授)
コーディネーター
竹村 登茂子(読売新聞大阪本社広報宣伝部長、大阪市男女共同参画審議会委員)
ムン・ウニョン研究員からは、「女性にやさしいまちづくりプロジェクト」のひとつである「施設に対する認証・評価」を報告。
女性にやさしい施設の評価項目として、トイレは便器の数の男女比が1対1以上であること、駐車場には女性優先駐車スペースが設けられているなど、認証・評価システムについての具体例が述べられた。
苫名正さんからは、 現在のオフィスビルの契機となっている梅田センタービルを挙げ、梅田センタービル建設の際には、本町の女性従業員100人に対するアンケートと10名程度のグループ討議での意見が参考になり、明るく、きれい、臭わなく、パウダールームのあるトイレや給湯室等が設計された、との指摘があった。
吉村八重子さんからは、子どもを守る母の像をデザインした「みおつくしの鐘」が女性会の活動の象徴であるとの説明からはじまり、女性会が取り組んでいる活動の一つとして、「タバコのポイ捨て防止」「花いっぱい運動」など「まちを明るく美しくする運動」や、「夕陽丘基金」への協力として女性がよく訪れる場所へのDV相談カードを設置していることなどが紹介された。
杉本佳英市民局長からは、大阪市男女きらめき計画を中心に、公共施設等の多目的トイレ、託児できる場所、地下鉄駅舎のエレベーター・エスカレーターの設置といった設備の整備と、待機児童の解消、子育て・両立支援携帯メールマガジン“私も子どもも育(はぐく)メール”配信、青色防犯パトロールなどの行政サービスの充実の両面から大阪市の取組みが報告された。
槇村久子クレオ大阪研究室長からは、「男女共同参画のまちづくり」調査研究報告として、女性の社会参画の進展と『住居』『職場』『まち』の施設や設備のハードの変化は関係性があることが明らかとなり、都市計画を含むあらゆる社会の場面で男女共同参画のまちづくりをめざすことが大切であることが述べられた。
竹村登茂子コーディネーターによる「ソウル市の事例報告であったように、プロジェクト参加者が、参加することを誇りにしているように、私たちも、それぞれが誇りを持って自分がまちをかえていく、私たちもまちづくりのプロセスに関わることが、もっといいまちになっていく。」とのコメントにより、午後の部は締めくくられました。
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研究テーマ・報告
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・日韓・男女共同参画のまちづくりフォーラム報告 - 平成21年度
・20〜30 代働く男性の男女共同参画に関する意識と実態
・韓国・ソウル市「女性が幸せな都市」プロジェクトとガイドライン(評価指標)報告 - 平成20年度
・男女共同参画のまちづくり 〜女性の社会参画と「住む」「働く」「行く」のハードに関する都市の変化〜
・男女共同参画に関する市民意識調査・男女共同参画に関する市民意識調査