男女共同参画エッセイ

男女共同参画に関する注目の話題やタイムリーな話題をお届けします。
大阪市地域女性団体協議会発行「女性大阪」に連載していたエッセイを掲載しています。

男女共同参画エッセイ

<連載 第25回>男女共同参画トピックス「男女共同参画のまちを  女性の連帯が社会を変える」

 クレオは満20歳!
 クレオ大阪は、女性問題の解決、女性の地位向上に資する様々な活動を展開するために、大阪市内5箇所に設置されました。そして、時代の要請や社会の変化に対応しながら、男性相談やイクメン等、男性へのアプローチやワーク・ライフ・バランスの推進等、より幅広い社会課題の解決に向けて、大阪市と両輪となって、先進的な取り組みを進めてきました。クレオ大阪5館の中で一番最初に建てられたのは、クレオ大阪北で、1993年のことです。おかげさまをもちまして、満20歳。成人になり、地域の拠点としてこれからさらに男女共同参画社会づくりに貢献していかねばと思っています。

もっと女性の活躍を
 国では、経済対策として3本の矢を挙げています。金融緩和と財政出動に続く、第三の矢として成長戦略を掲げました。その中核として女性の活躍を強調しています。具体的には、待機児童ゼロや育児休業期間の延長などです。また、女性管理職を増やすための目標数値が設定されたり、女性の再就職に向けたセミナーの開催、地域活性化に女性の力を!といった講演会が開催されたりと、様々なところで女性の力を活かす取組みが進められています。
 そもそも、日本は女性の活躍促進が遅れているのです。その国の中で経済や政治、教育面などにおける男女の差がどれくらいあるのかを数値化した指標で「男女平等指数」というものがあります。日本は、なんと、136カ国中105位。経済規模を表すGDPは世界3位だというのに、女性の活躍の面では、その課題は山積みです。

世界に目を向けると
 世界の国や地域では、文化や価値観など様々な違いはありますが、共通する課題も多くあります。例えば、女性に対する暴力の問題、意思決定の場への女性の参画など、女性を取り巻く問題に国境はなく、世界はつながっています。
 例えば、日本で2001年に成立したDV防止法では、韓国で同様の法律が成立したことにも影響を受け、日本の女性国会議員が超党派の議員連盟を結成して日本での法律成立に貢献しました。もちろん、それまでに日本でも各地域で草の根運動が実を結んだということは言うまでもありません。パキスタンでは女子教育の権利を求めたマララ・ユスフザイさんの強い意志から、私たちは勇気と希望をもらいました。

地域での活動
 女性会のみなさまの多彩な活動の一つに、DV防止とDV被害者支援があります。ずっと続けてこられたこの活動は、地域への啓発に大きな貢献をされてきました。この継続的で地道な活動が「暴力を許さない社会」をつくっていくのだと思います。「地球規模で考え、足元から行動せよ」という言葉がありますが、これは環境問題を考えるときの言葉だそうです。「広い世界」と「身近な地域」という二つの異なった方向に視野を広げることで、地に足がついた活動になるということです。
女性を取り巻く問題についても同じことがいえます。先ほど、女性を取り巻く問題には国境がないと申しあげましたが、国境がないからこそ、私たち誰もが世界や社会を良い方向に変えるチャンスを持っているのだと、女性会の地域に根ざした活動から感じます。DV相談の件数はますます増加し、ストーカー被害なども含め、まだまだこれからの取組みが必要です。DV防止活動は継続していかなければなりません。
 今こそ、「女性たちの連帯」が社会を変え、大阪を活性化させるとき。これからも、地域のパートナーとして、クレオ大阪と大阪市男女いきいき財団をよろしくお願いいたします。

(大阪市男女いきいき財団・中村聡衣)

<連載 第24回>男女共同参画トピックス「老後の人生を楽しく」

 寒さが身に沁みます。前回「冷えとり」のことを書かせていただきましたが、その後、久しぶりに近所のスーパー銭湯に行ってきました。すごい賑わいでした。老いも若きも男も女も、タオルと桶を抱えて(ちょっと古いか)。みんな冷えを感じているのですねえ。考えてみれば、温泉や銭湯は昔から身近なものでした。そこでの人間関係とかコミュニティみたいな、人の温かさがその町への愛着になったりしていたなあと思います。家の小さな浴槽で半身浴もいいけど、たまには開放感たっぷりの銭湯で格別の気持ちよさを味わいたい。銭湯では、60〜70歳代と思しき、男性たちもお風呂を楽しんでいました。もうそこが我が家の風呂のように、ゆったりとお湯につかり、サウナでテレビをみてくつろいでいました。

「老後は悠々自適」は幻想
さて、先日、大阪樟蔭女子大学教授で医学博士の石蔵文信さんに来ていただき、『どないしますか!リタイア後の生活〜男の家事・介護・近所づきあい、みんなで一緒にかんがえまへんか?』というタイトルの講演会を開きました。テーマは、どうやって老後の人生を過ごしたらいいかについてです。石蔵さんは男性更年期外来でうつ病など多くの患者さんやその家族を見てこられた経験から、定年後の生活に危機感を持たれたそうです。現役のうちは仕事のストレスで体を壊してしまうほどだから、「老後はのんびりしたい」「悠々自適に暮らしたい」と言う男性は少なくありません。気持ちはわかるけど、それは幻想だそうです。老後には「ストレスがないストレス」が待っていると。人から必要とされていない毎日はとても寂しく、しかも、平均寿命を考えると、そんな状態が20年以上続きます。最近は「ワシも族」「濡れ落ち葉」と揶揄される定年後の夫たちに悩まされる妻たちがうつ病になってしまうケースが増えているそうです。

では、男性は老後をどのように過ごせばよいのでしょうか?石蔵さんは、可能なかぎり働き続けることだといいます。定年などで辞めざるを得ない場合でも、別の仕事(アルバイトも含め)を見つけて仕事を続ける。死ぬ直前まで仕事をしていることが理想。仕事が見つからない時は、ボランティアをする、孫がいたら孫の面倒を見るなど、いつも誰かの役に立つことをしなさいと。それから大切なのは、自立すること。経済的な自立も大事だけど、もっと大事なのは身の回りのことが自分でできることです。料理や洗濯など家事全般をこなせること。つまり妻に任せっぱなしにしている家事を自分でするようになって、妻から自立しなさいと。そうしたら妻から小言を言われることもなくなります。(笑)

私は「老後はのんびり派」でしたから、まだ40代ですが、こりゃ大変だ!今から一生続けられそうな趣味や仕事のことを考えとかなと、にわかにあせっています。考えてみれば、自分の親の様子を見る以外に、老後について具体的に考える機会なんてありませんでしたから、こんなお話が聞けて本当にありがたいです。あまり大きな声では言えませんが、私のまわりの老後夫婦は悩み多き、つら〜い共依存関係だったりします。せっかくお互いがんばってきたんだから、人生の終盤で誰もつらい思いはしたくありません。少しでも自分の人生を楽しめることを見つける方がお得ですよね。

ピンピンコロリが理想?
日本人は女性も男性も長寿です。こんなに健康に気をつけている国民は珍しいようです。長生きしたいわけではないけど、家族に迷惑をかけるような病気や死に方はしたくないから健康に気をつけているという方は多いと思います。理想の死に方はピンピンコロリだという方も多いようです。ピンピン生きてコロリと死ぬ。でも実はコロリと逝く典型的な病気は心筋梗塞、脳卒中などです。健康に気をつければ気をつけるほど、ピンピンコロリでは死ねないというわけです。長生きすれば、当然、寝たきりや認知症のリスクも高まります。寝たきりや認知症になりたくなければどうしたらいいか?石蔵さん答えは「早くお亡くなりになること」とおっしゃいます。(笑)

人生の目的は、長生きすることでも健康維持でもなく、自分の人生を楽しむことですよね。これからの人生も充実して過ごしたいものです。そのヒントがクレオ大阪の情報図書コーナーにたくさんあります。これからの自分らしい生き方を一緒にかんがえまへんか?

 

<連載 第23回>男女共同参画トピックス「冷えとり男子・体験記」

冷えは万病のもと
 雪こそ降らないですが寒い日が続きますね。我が家のメダカ水槽はこのところ、氷が張って、氷を割るのが子どもたちの日課になっています。築40年を越す木造家屋ですので、夏は涼しく、冬はとても寒く、今の時期は朝方5℃くらいになります。いくら暖房をしても追いつきません。
 寒いと、肩こり、腰痛、手足の痛みが出たり、気分も憂鬱になったり、何とかならないものかと思います。そんな時、みなさんはどんな工夫をされていますか?健康法とは言わないまでも、「○○するようにしている」ということはあると思います。健康法は数多くありますが、「冷えとり」という健康法があることをご存知でしょうか?「冷え」を感じる女性が主に実践しているそうですが、そういう私もやっている“冷えとり男子”のひとりなのです。え〜、男の人が冷えとり?!と気持ち悪がらないでくださいよ。「冷えは万病のもと」と言いますから、男性だって冷えに注意した方がいいですよ。 『これが本当の「冷えとり」の手引書』(PHP研究所・進藤義晴・進藤幸恵/著)という本では、「冷え」の自己診断チェックシートが載っています。ちなみに、クレオ大阪の情報・図書コーナーでお借りいただけます。
 ちょうど1年前になるでしょうか、体調が悪く、精神的にどん底だった頃、同僚が冷えとり健康法のことを教えてくれました。冷えとりという言葉は知りませんでしたが、妻が足湯をしていたのを思い出し、これは何かのご縁かもと、始めてみることにしました。

体も心もあったまる
 私が冷えとりを続けられている理由の一つは、「半身浴」が推奨されているからです。半身浴では、みぞおちから下あたりをお湯につけ、腕も外に出します。体温より少し高い程度(37〜38℃)のお湯に、最低でも20〜30分つかるのがよいようです。これがとても気持ちがよく、リラックスできます。体の芯から温まり、じわじわ汗が出てきます。特に足の裏から、体の中に溜まった毒素が出るそうです。もともと風呂好きで、風呂に入って健康になるならと、先ほどの本に書いてある通りにせっせと続けました。まさか自分がこれほど冷えとりの実践が続けられるとは思いませんでした。
 冷えとりを実践する上で、半身浴と並び、「天然素材の靴下の重ね履き」がおススメです。靴下はお風呂に入っているとき以外も足元を冷やさないための工夫です。仕事のときも寝るときも。最近は寒さがきついので、靴下7〜8枚、レッグウォーマー3〜4枚履いています。こう言うと「え、そんなに?靴どうすんの?」と聞かれます。靴はサイズがなかなかなく、外国製の靴やブーツを履いています。
何枚も靴下を重ね履きするのは時間がかかります。でも、この脱いだり履いたりという作業が生活の一部になってくると、心地よく、自分を労わる気持ちが湧いてきます。だから自分の健康のためにとエッチラオッチラ一枚ずつ丁寧に履いていきます。

テキスト ボックス: クレオ大阪 情報・図書コーナー  ≪開室時間 9:30〜21:30≫  利用冊数:図書・雑誌10冊、ビデオ1本まで   利用期間:2週間  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  <冷えとり特集>●毎日冷えとりレシピ●医者知らず「冷えとり」で完全健康人生●冷えとりの教科書●冷えとり薬膳レシピ●女性のためのもっとちゃんと「冷えとり」生活 など  家族も関心?!
 天然素材とはシルク、コットン、ウールですが、繊細で、値も張りますから、大事に扱わなければなりません。靴下は汚れたら手洗いするし、穴が空けばその都度縫います。自分でもまめやなあと思います。家族はお父さんがなんか変なこと始めたで〜と初めは興味を示しましたが、最近はお父さんの趣味として定着しています。裁縫は得意ではありませんでしたが、穴を繕うことはできます。○十年前の家庭科で教わったそのままです。ある日、穴を繕っていると、10歳の息子が寄ってきて「ぼくも靴下に穴が空いたから縫う。やり方教えて」と言ってきました。こんなことを通して、自分のことを自分でできるようにと伝えられるんですね。妻は冷えとりの先輩でもあるので、黙ってあたたかく見守ってくれています(笑)。

よりよい生活習慣を
冷えとりを形だけやっていても心身の不調はよくなりません。生活習慣も見直す必要があります。自分が欲するままに食べてお酒を飲んでいては、冷えとりの効果はなかなか出てきません。冷えとりと生活習慣の改善に苦戦する今日この頃です。

(大阪市男女いきいき財団・吉本康二郎)

 

<連載 第22回>男女共同参画トピックス「子育てでパパも心豊かに」

「そして父になる」
 今年度のカンヌ映画祭で福山雅治・主演「そして父になる」が審査員賞を受賞しましたが、皆さん映画はご覧になりましたか?ストーリーは、学歴、仕事、家庭、すべてを手に入れ、自分は人生の勝ち組だと信じて疑わない主人公の良太が、ある日突然病院から、大切に育ててきた6歳の息子が、出生時に病院で取り違えられた他人の子どもだった、と知らされることからはじまります。その後、血か、それとも共に過ごした時間かという選択に悩み、息子の“本当の父親”との関わりなどから、父親とは家族とは何かを深く考えるというものです。

育児時間は1日わずか40
 「そして父になる」の主人公のように、「父親」とは何かと考える男性も少なくないのかもしれません。子育てに積極的に参加したい男性も増えている一方で、6歳未満の子どもを持つ男性の育児関連に費やす時間(1日当たり)は、残念ながら日本は40分弱です。30代〜40代の子育て世代の男性の長時間労働が影響しているといわれています。
 仕事は確かに大事だし、妻子を養わなければならないかもしれません。しかし、自分の子どもが成長する姿を間近で見られるその時に、その時間が持てないのは、とても悲しいことだと思いませんか?子どもと気持ちを通わすためにはやっぱり時間が必要ですよね。核家族で育つ、今の子どもだからこそ、忙しく、威厳のある父親より、そばにいて子どもときちんと向き合える父親が必要だと思います。

男性の参加も増えています
 私たちの財団は、これまで、男女共同参画の視点で、女性の活躍を促進する事業のほかに、男性も自分らしく生きることができるようサポートする取り組みを進めてきました。男性の意識変革を進めるため、男性が参加できる様々な講座を実施しています。今では当たり前となっている、定年後の男性の料理教室や、お父さんの育児講座は、当初は人が集まらず、あの手この手を使って、男性たちに呼びかけたものです。その甲斐もあって、今、当財団が実施するイベントには、子連れの男性に多くご参加いただいています。

みんなでイクメンを応援しよう
 日本では最近「イクメン」と呼ばれる男性たちが元気です。イクメンとは、子育てを楽しみ、自分自身も成長する男性のこと、または将来そんな人生を送ろうと考えている男性のことです。当財団でも、イクメンを応援するために、平成22年度からイクメン写真コンテストを実施し、今年で4回目。毎回、いいね!!と思える写真&コメントが寄せられます。とっても自然体の方から、もうちょっと肩の力を抜きましょうと思える方までいろいろな写真があり楽しいですよ。この写真からはどのような印象をお受けになるでしょう?
少子高齢社会の中、子育ての環境は決して十分に整っているとはいえませんが、子どもといる時間を大切にしよう、子育てを楽しもうとしているお父さんが少しずつ増えていると思います。写真の父子のような姿を街で見かけたら、あたたかく見守ってあげてくださいね。
  ちなみに、『そして父になる』の映画のノベライズ本は、累計46万部を突破するなど話題の本となっています。クレオ大阪の情報・図書コーナーでも貸出をしていますので、ぜひ読んでみてくださいね。

(大阪市男女いきいき財団・吉本康二郎)

<連載 第21回>男女共同参画トピックス「整理整頓でよいお年を!」

師走です
 今年も残すところ20日あまり…カレンダーもあと1枚になり、残っている日数を見ていると、年末がぐっと近づいていることを感じますね。今年の残された時間をどう過ごそうかと考えると同時に、来年はどんな年にしようかと考える時期でもあります。
いろいろ考えるのはこの時期ならではですが、なにか気になり始めると、いつもより多くの情報が目や耳に飛び込んでくるのではないでしょうか。

例えば、私の場合…
 先日、朝起きると、歯に激痛がはしり、数時間たってもいっこうにおさまりませんでした。日曜日だったこともあり、仕方なく常備していた鎮痛剤を飲み、なんとかしのいだのですが、その日は、近所を歩いていると、いつも以上に歯科医院に目がとまりました。どこか日曜日はやっていないものかしら…と無意識に探していたのかもしれません。その後、診察を受けてみると、てっきり虫歯と思っていた歯痛の原因が歯周病というものであることがわかりました。今度は、買い物に行っても、テレビを見ていても、歯周病ケアや歯周ポケットという言葉に反応し、それらの商品が気になって仕方なくなり、宣伝文句をそのまま信じ、数点は購入し愛用しています。

アンテナをたてよう!
 気になることができたり、こんな情報を知りたい!と思うと、その情報を得るために、まるでアンテナがたったかのように、関連する言葉や場所に注意が向きます。今回は、「歯が痛む」というひとつのきっかけから、今まであまり気にかからなかったことが、すごく気にかかるようになりました。意識するようになり、得る情報は格段に増えたのですが、逆にいえば、意識しなければ、情報を手に入れることが難しいということにも気づかされました。

あふれる情報から
 情報を手に入れようと思ったとき、10年前に比べると、簡単に調べることができるようになりました。しかも、たくさんの情報を知ることができます。一方で、こんな時代だからこそ、情報を取捨選択する必要も増しているように感じます。自分に必要のない情報もすべて受け入れてしまうと、情報の波にのまれ、溺れてしまい、本当に必要なものにたどりつけなくなってしまったり、何が知りたかったのかわからなくなってしまったり…本末転倒ですね。

整理整頓が大切です
 机の上も、部屋の中も、ものがどこにいってしまったのかと探さなくていいように、片づけることや定位置にものを納めておくことが大切です。(この文章を書いている私の机の汚さを反省しながら…)情報も同じように、必要なときにすぐに取り出せる状態でないと、知っているけど使えないものになってしまいます。必要なときには、さっと取り出せるよう、頭の中の引き出しを整理しておくこと、日々の中でつい忘れてしまいがちだけど大切にしたいことは手帳などに書くなど、目に見えるかたちにしておくといいかもしれませんね。
みなさまも、ぜひ身の回りや頭の中の整理整頓を心がけて、すっきりした気持ちで、新しい年に向けてアンテナを張りめぐらせてはいかがでしょうか。
私も、新年を机も気持もすっきり迎えるために、年末に向けてまず片づけることから始めたいと思います。

(大阪市男女いきいき財団・長岡弘美)

<連載 第20回>男女共同参画トピックス「健康は"いつもの自分"を知ることから」

やっと秋到来!
暦の上では、立秋から立冬の前日までを「秋」というそうですが、今年は、例年にも増して、暑い日が続き、なかなか、秋を感じることができませんでした。暑さが一段落し、すごしやすい季節の到来と思いきや、急に寒くなる…温帯気候の日本ならではのよさが、少しずつ失われている気がします。

健康セミナーより
さて、寒い季節になると、風邪をひいたり、熱が出たり…体調を崩すことも多くなります。先日開催した「女性のための健康セミナー」でのお話の中で、なるほど!と思ったことがありましたので、ご紹介します。

体温計を使うのは?
体温を測るのは、どんなときですか?ちょっと体調が悪いなーっと思ったとき、病院にいったとき、という方が大半ではないでしょうか。つまり万全の状態で体温をはかることはあまりないですよね。
では、平熱はどれくらいですか?と聞かれたら、どう答えるでしょうか。私は、体温が少し低い方だと思っているので、「大体35度代後半です」と、なんとなくこれくらいと思っている体温を答えています。正しい平熱かといわれると、「たぶん…。」と小さい声で答えたくなるほど、自信がありません。みなさんは、いかがでしょうか。
しかし、正確な平熱を知っていると、いざ病院にいって、医師が処置を考える上で、大変有効だとお話されていました。

安心していませんか?
私は、知ってるよ!昔、測ったことあるからと思っている方。平熱は、年齢とともに変化するため、前に測ってるからそれでいいわ!というものでは、ないんですよ。

みなさんも測りましょう
肝心の平熱を知る方法です。体調の良いときに3〜4日間、朝(起きてすぐ)・昼・夜(寝る前など)に体温を測り、その平均を出します。時間帯によっても違うため、朝だけ、昼だけ、夜だけの平均も知っておくといいそうです。運動後や入浴後、屋外から屋内に入ってすぐは検温に適さないので避けてください。
現代人の平均体温は36.20度で、50年前の平均と比べると、約0.7度下がっているそうです。体温が下がると血流が悪くなり、免疫力も低下するため、発病しやすい体になってしまいます。

低体温、なぜ?
低体温の原因の約9割は、筋肉量の低下と考えられています。つまり、運動不足です。便利なものが増えて、私たちは、知らず知らずのうちに、楽に生活しているのかもしれませんね。確かに、私も学生時代に比べ、机の前でパソコンに向かっている時間が増え、移動するときも、ついエレベーターのお世話になってしまいます。これは、改めないといけないかもしれませんね!あ、「かも」と言っている場合ではないですね。改めます。

冬を元気に乗り切ろう
さて、平熱の話から、免疫力、運動と話は広がりましたが、みなさんにお伝えしたいことは「いつまでも、元気に過ごすためにも、日ごろから平熱や自分の状態を知っておくことが大切」、「適度な運動を心がけることで、免疫力もアップ!」ということです。寒さが厳しくなるこれからの季節、みんなで元気に乗り切りましょう!(健康セミナーのご受講もよろしくお願いします!)

大阪市男女いきいき財団・長岡弘美

<連載 第19回>男女共同参画トピックス「知る 伝える ピンクリボン」

10月といえば…
10月といえば、子どものころは、運動会や遠足!といった感じでしたが、最近は、「ピンクリボン」月間やなぁ…と思うようになりました。女性の健康セミナーなどを企画する、この仕事ならではの発想です。

ピンクリボンとは
乳がんの正しい知識を広め、乳がん検診の早期受診を推進することなどを目的としておこなわれる世界規模の乳がん啓発キャンペーンです。
私たち、いきいき財団も「知る 伝える ピンクリボン 〜乳がんで悲しむ人をなくすために〜」をスローガンに、1人でも多くの方、特に女性に知ってもらうために、期間中、セミナーの実施や情報・図書コーナーでのブックフェアなどを開催しています。
また、最近は、さまざまな企業の方と協力し、「大阪ピンクリボンキャンペーン」を開催しています。

ライトアップ
10月1日、大阪の2つのシンボルをピンク色にライトアップしました。みなさん、ご覧頂けましたか?1つは、「通天閣」。平成23年にネオンをリニューアルした後、はじめての特別ライトアップがこのピンクリボンだったそうで、今年で3年連続となりました。
もう1つは、「大阪城」。今年初めてライトアップされました。
どちらも、いつもとは一味違う温もりを感じていただけたのではないでしょうか。

検診、受けてますか?
厚生労働省が実施している国民生活基礎調査によると、平成22年の乳がん検診受診率は、全国平均24・3%に対し、大阪府は20・1%と全国で4番目に低い結果となっています。(調査対象40歳以上女性)乳がん検診は、2年に1回受診することが推奨されているので、21年の受診者が多かったのかもしれない!と思い、21〜22年の2年間での受診率も調べてみましたが、26・8%。2年間での全国平均の31・4%を大きく下回り、全国で4番目に低い結果ということに変わりはありませんでした。(表)

検診どうやった?
症状がなく、痛くもなんともないのに、病院に行って検診を受けるというのは、なんとなく損した気分になりますよね。毎年、ピンクリボン月間を意識だけはしている私自身も、実は検診を受けたことがないんです…。そのうち!と思いながらも、気づけば30代半ば。検診対象年齢になってきました。そこで、検診を受けた同僚に感想を聞いてみました。「マンモグラフィ検診自体は、5〜10分で終わるけど…背中とかからお肉をグイグイ寄せてあげてを繰りかえして、なんとか乳房をはさみこむことに成功。」「はさまれた時を例えるなら、第一段階は阪神名物いか焼き状態で、第二段階がするめいか状態かな〜」「人によって痛さも違うみたいやし、詳細な検診結果も届くし、早く発見できて命が助かるなら受ける価値はあると思うよ。」とのことでした。

知る 伝える
私には関係ないわ!私の家族には関係ないわ!と思わずに、「備えあれば」の気持ちで、検診の大切さを一人でも多くの人に伝えていきたいと思います。私も受診します!検診を受ければ、大丈夫。早く見つかればほとんどが治る病気の乳がん。このお得情報を、ぜひ大阪の女性のくちこみパワーで広めていき、全国平均を下回る受診率をアップさせ、乳がんで悲しむ女性を1人でも減らしていきたいですね。

(大阪市男女いきいき財団 長岡弘美)

<連載 第18回>男女共同参画トピックス「月と女性と経済」(平成25年9月発行)

中秋の名月
9月。まだまだ暑い日が続きますが暦の上ではすっかり秋です。旧暦の八月十五日にあたる、秋の期間のなかでもちょうど真ん中の「中秋」の日の夜の澄んだ秋空に昇る丸い月は「中秋の名月」と呼ばれ、日本にはこれを観賞する風習があります。お団子を買って風流を楽しむ読者の方も多いのではないでしょうか。
満月と言えば、最近「満月の日に外で財布をフリフリすると金運が上がる」という話が若い女性の間で広まっています。「フリフリーゼ」と呼ばれる女子達が満月の夜に公園へ集まり、みんなで財布を振っているそうです。想像するとなんだか不思議な光景ですが、月の引力の効果以外にも、お金を手にいれる!という強いモチベーションが、金運を引き寄せるのかもしれません。今回はそんな月夜にちなんで、女性と経済についてのお話です。

●女性と経済
近年「ウーマノミクス」という概念が登場しました。「ウーマン(女性)」と「エコノミクス(経済学)」を組み合わせた造語で「女性経済」として訳されることもありますが、要は「女性が働き手として期待され、消費者としてもリードする経済のこと」だそうです。
女性の就労が拡大すれば、生活者の視点から斬新で多様なサービスや商品を生み出して企業に活力を与え、さらに手にした収入で消費をけん引することが期待されます。消費生活の場では今も昔も女性が中心。「フリフリーゼ」も、満月の効果で臨時収入があれば「何に使おうかな♪」と景気良く消費することをイメージしながら振っていることでしょう。ウーマノミクスは「日本の含み資産」と言われることもあり、今後女性に社会的な門戸が広く開かれることにより、その恩恵は決して女性のためだけではなく日本全体に大きな経済効果をもたらす可能性を秘めているというところにあります。

●戦略としての女性の活用
政府は、経済政策の成長戦略として「女性の活躍推進」をあげています。出産育児による離職を減らし、指導的地位に占める女性の割合を増やして「女性の活躍」を推進すると打ち出しました。
平成24年の「就業構造基本調査」によると、25〜39歳の女性で職を持つ人の割合は69.8%で過去最高でした。この年代は結婚や育児で離職することが多く、前後の年代より就業率が低いいわゆる「M字型カーブ」を描いてきました。それが近年、未婚で働く人や夫の収入減を補うために働く人などが増え、カーブは先進国と同じ台形に近づいてきています。とはいえ、第一子の出産で退職する女性はいまだ6割、非正規雇用の割合は57.5%と過去最高となっており、働き方の「質」には、課題が多いと言えます。
希望する女性が全員就業したら、国内総生産(GDP)を1.5%ほど押し上げると言う政府の試算もあります。やりがいを感じて働く女性を増やせばその分消費も増え、経済活力と人材活性の両面からの効果が見込まれるでしょう。

●女性は一生でいくら稼ぐ?
ここで、働き方による生涯賃金(現役時代の賃金収入と老後の公的な年金の合計)について見てみます。厚生労働省の調査では「女性が30歳まで働いて結婚・出産等のため退職しその後専業主婦」の場合と「育休をとって復帰、定年まで正社員で働く」場合では、約1億5千万円近い生涯賃金の差ができるというデータがあります。ちなみに「40歳からパートで再就職」の場合も、生涯正社員とは1億円以上の差額があります。
この衝撃的な金額差を聞くと、「日本経済の活性化」や「男女の機会均等」などの論議はさておき、単純に「結婚出産で仕事辞めるのって、もったいない!」と思いませんか?
「もったいない」が大好きな大阪女性。自分の娘や息子の妻が、両立が難しくてやむを得ず退職を選ぼうとしていたら、ぜひこの赤裸々な金額を教えてあげてください。また女性が家庭での家事育児の負担が少なくなれば、退職やパートではなく、正社員として働き続けることができる可能性が広がります。そこで「私も手伝ったるから!」または「ダンナにもやるよう言ったるから!」とこれまた大阪女性の得意な「おせっかい」も足してあげると、もしかするとその女性の働き続ける勇気になるかもしれません。
そして中秋の名月を眺めて、お財布を振りながらも自分の未来の働きかたについて考える女性たちが増えれば、日本の経済も満月の夜のように明るくなるのかもしれませんね。

※次号から執筆者が交代します。4月号から6回にわたりお読みいただきありがとうございました。

(大阪市男女いきいき財団 杉浦 愛)

<連載 第17回>男女共同参画トピックス「夏休みと情報化社会」 (平成25年8月発行)

夏休み
8月といえば、夏休み。子どもの頃は1ヶ月以上も学校が休みになる夏休みが待ち遠しかったものです。友達とはしばらく会えないので、終業式の日に夏祭りやプールへ行く日の待合わせの約束をたくさんしていました。一方、現代はネット社会。直接会うことが出来なくても、携帯電話やメールで簡単に連絡をとることができます。子どもに携帯電話を持たせるかどうかはさておき、大人にとっても連絡手段は格段に便利になりました。適当に待ち合わせたとしても、昔のドラマのように恋人同士がすれ違いで結局会えないなんてことは、ほとんど無くなりました。

情報あふれる現代
90年代のIT革命以降、私たちが得られる情報の量は格段に増えました。連絡や会話のためのコミュニケーションの道具としてインターネットの活用はもちろん、なにか調べたいと思ったとき、以前ならば電話で問い合わせたり、図書館に行って書棚を探したり、分厚い辞書を引いたり…していた作業は格段に少なくなって、パソコンや携帯電話から、検索サイトに調べたいキーワードを打ち込めば、すぐに欲しい情報にたどり着くことが出来ます。夏休みの宿題でも、ネット検索で答えを探す子どももいるそうです。
私たちは今、インターネットを始め、テレビ、ラジオ、新聞、チラシやポスター、ご近所情報満載の地域のフリーペーパーなどからも日々たくさんの情報を得ることが出来ます。けれど、その情報は本当の本当に、真実なのでしょうか…?

情報を読み解く?
「メディアリテラシー」という言葉があります。意味は、私たちを取り囲むメディアの仕組みや特性を知り、様々な情報を注意深く受け取ったり、積極的に表現したりするための能力のことです。日本では「メディアの読み書き能力」などと言われたりもしますが、台湾では「媒体素養」と呼ぶそうです。カタカナ言葉だととっつきにくいですが、漢字になると、ちょっとイメージしやすくなりませんか?え?ならない?では、衣服に例えてみます。その昔、雑誌の付録についていた型紙を使って子どもや自分の服を作った経験はありませんか?服の作り方や素材のこと、誰が作ったのかを知っていれば、自分が消費者として服を買うときにも、これが本当に良いものか、自分に必要なものかどうかを見極めることが出来ます。
メディアに関しても同じです。私たちは情報の消費者として受け手の立場にいます。企業が商品として送り出す情報について、おかしいかな?という違和感があっても、たいていは我慢して(または気づかずに)受け取ってしまうのが普通です。けれどその情報が、誰によってどう作られているかを知れば、受取側にとっても見極める判断がつくようになります。メディアリテラシーとは、私たちがメディアを既製服のようにただ買い、飽きたら捨ててしまうのではなく、誰にどのようにして作られたかを知り、吟味しながら選ぶこと、また自らも作ったり表現したりできるようになるための能力を育むことだそうです。

女性の視点を
失言をする政治家には「メディアに言葉の一部を取り上げられた、意図するところではなかった」という人もいます。どの言葉を取り上げて情報として発信するかも、送り手側の価値観次第で、それによって受取る側のうけるイメージも変わります。例えば女性に対する暴力に関する1つの事件を「いたずら」と伝えるか「乱暴」と伝えるか「強姦」と伝えるか、事実は同じでも、誰がどの視点でどの立場に配慮して発信するかによって大きな違いが生まれます。女性か男性かによっても発信する視点は変わってきます。
以前に比べると、女性記者や女性のプロデューサーの増加など、情報を発信する側の職域にも、男女共同参画は進んできていますが(図参照)、メディア業界はまだまだ男性社会。受け取る側の私たちも、情報を見極める力を身につけておきたいものです。
晩御飯時のニュースでも平日午後のワイドショーでも、これからは「どのような視点でこの情報が発信されているのか」を考えながら、テレビを眺めたら、新しい発見があるかもしれませんね。

(大阪市男女いきいき財団 杉浦 愛)

(参考資料)

<連載 第16回>男女共同参画トピックス「財団設立20周年・新協会発足〜大阪市男女いきいき財団〜」 (平成25年7月発行)

20年の節目
20年前、読者の皆さんは何をしていましたか?20年と言えば、そのとき産まれたあかちゃんが、成人となる年月。今から20年前の平成5年2月1日、大阪において、女性の社会参加と自立、女性問題の解決をめざす市民の活動を支援し、女性の地位向上を図るという使命を背負って、ひとつの財団が産声を上げました。
当時の名称は「財団法人大阪市女性協会」。「男女共同参画」や「ドメスティック・バイオレンス」という言葉もまだほとんど無かった時代です。
そして月日は流れ、平成25年。おかげさまで設立20周年を迎えた大阪市女性協会は4月より「一般財団法人大阪市男女共同参画のまち創生協会(愛称:大阪市男女いきいき財団)」へ名称変更し、新たな一歩を踏み出しました。
そして、男女共同参画週間前日の6月22日(土)、クレオ大阪中央において、「財団設立20周年・新協会発足記念式典」を行いました。「女性が集う場が欲しい」という熱い思いを持った大阪の女性たちの「1日1円募金運動」がきっかけとなって設立された大阪市立婦人会館の跡地に建つ、大阪市立男女共同参画センターで、今や女性だけでなく、男性も大勢ご出席いただく中、20歳の成人式を迎えることができました。

記念式典
当日は、約150名の方々にご参加いただき、会場は満員。当財団の理事長、槇村久子は、ちょうど前日の6月21日付で大阪市初となる女性の市特別顧問に就任し、市政においても女性の社会進出についての助言する役割を担うこととなり、まさに財団も大阪市政も次の段階に進むべきタイミングで迎えた記念式典となりました。
内閣府の佐村智子男女共同参画局長にご臨席いただき、励ましの祝辞を頂戴しました。また、橋下大阪市長からのメッセージを京極副市長からいただくなど、役職員一同、30周年をめざして決意も新たにする機会となりました。
そして当財団理事、大阪市地域女性団体協議会の吉村八重子会長と、評議員でジャーナリストの細見三英子氏による記念対談。大阪における男女共同参画の20年とこれからについてお話いただきました。
さすが大阪の女性と思わせるお二人の軽妙な会話に会場からも笑いが起こり、和やかな雰囲気で進みました。
記念講演では、地域資源を活かした人材育成や観光事業の開発を手掛ける株式会社紡(つむぎ)代表、地域プロデューサーの玉沖仁美さんに「豊かなまちの創造のために」のテーマでお話いただきました。
豊かなまち、今日より輝く明日を創っていくためには、「大事なところは人任せにせず、地域の住民が主役として動いていく」、「考えることをあきらめない」などのメッセージをいただきました。
式典後に行われた交流会は、クレオ大阪の利用者かつ支援者であるグループによるフラメンコからスタート。対談をお願いした細見さんも、「20年若ければ、フラメンコを始めたい!」と言ってくださるほど、会場中が拍手喝采で盛り上がりました。
飲み物の提供はクレオ大阪主催のカフェ講座を卒業し開業した女性カフェオーナーの協力によるものでした。交流会にも多くの方に引き続きご参加いただき、これからの当財団と大阪というまちの発展につながるべく有意義な出会いと交流の場となりました。

職員一同、思いを込めて
式次第デザイン、吊看板、花のアレンジ等々、すべて職員による手作りの式典でしたが、これまでの財団の20年に関わり、支えてくださった方々、これからの財団にお力添えいただき共に歩んでくださる方々に、感謝の気持ちと未来への熱い意気込みをお伝えすることができたのであれば幸いです。
やっと20歳を迎えた財団ですが、成人としては始まったばかりとも言えます。財団が立派な社会人となってさらに成長し、どう羽ばたいていくのか、読者の皆様にも見守っていただきたいと思います。これからも、末永く当財団へのご支援をなにとぞよろしくお願いいたします。

(一般財団法人大阪市男女共同参画のまち創生協会 杉浦 愛)

<連載 第15回>男女共同参画トピックス「現代“結婚”事情」 (平成25年6月発行)

6月のイベントといえば?
6月に入りました。梅雨入りの蒸し暑い時期ですが、結婚式を挙げるには人気の季節でもあります。欧米には6月の花嫁は幸せになるという言い伝えがあり、「ジューン・ブライド」は日本でも知られるようになりました。私は友達の結婚式が重なって1ヶ月に3回出席したことがあります。度重なるご祝儀には、さすがにびっくりするほど「寿貧乏」となってしまいましたが、大切な人生の門出に花を添える事が出来て良かったのだ!と思ってなんとか乗り越えました。 日本では晩婚化・未婚化が進んでいると言われて久しいですが、平成23年度の調査によると平均初婚年齢は男性30.5歳、女性28.8歳。対して今から40年前の初婚年齢25歳前後でした。女性の価値は25までと「クリスマスケーキ」に例えられた時代も(セクハラ発言ですね)遥か昔となりました。年代別のデータでも30代前半の女性では3人に1人が未婚、男性では2人に1人が未婚です。1975年での同世代の未婚率は約10%程度だったので、未婚の息子や娘をもつ親世代は自分たちには当たり前だったことが、うちの息子や娘は何故できないのか?なにか問題があるのか?と、心配に思うかもしれませんが、いいえ、決してそういう訳ではありません。

結婚をとりまく環境が変わった?
かつて日本の社会には「結婚システム」のようなものがありました。前近代では親同士が決めた取り決めであり、戦後はお見合いや職場結婚という斡旋でした。「恋愛=結婚」という規範も色濃く、男性は仕事・女性は家事という価値観や、就職すれば給料は右肩上がりという経済状況も、年頃になれば結婚するという必然性を後押ししていました。 一方、現代においては職場やご近所親戚による斡旋も減り、交際機会の拡大により恋愛と結婚の分離や、結婚後のイメージも多様化しています。いわば結婚の「自由化」です。内閣府が実施した「結婚・家族形成に関する調査」によると、将来結婚したいと考えている人は、男性は約83%、女性は約90%と高い割合となっていて、特に「すぐにでも結婚したい」又は「2〜3年以内に結婚したい」と考える人は、男性は約3割、女性は約4割となっています。ではなぜ希望しているのに結婚していないのでしょうか。

現代の結婚事情
今ではすっかり市民権を得た「婚活」という言葉のきっかけになった書籍「『婚活』時代」の著者によると、社会や経済状況が変化しているにもかかわらず、意識そのものが昔とそれほど変わっていないことに理由があるようです。先の調査では、将来結婚したいと考えている人の不安としては、男女ともに半数以上が「経済的に十分な生活ができるかどうか」をあげています。長引く不況で、一番結婚していく世代の30代は就職氷河期世代でもあります。近年は若年女性の「専業主婦嗜好」が高まっているという調査もあり、厳しい雇用環境の中で「こんな働き方では結婚や出産が出来ない」と、仕事と育児の両立が難しいことなども背景にあると見られます。またクレオ大阪研究室の「20・30代働く男性」についての調査報告によると「互いにパートナーとして尊重する夫婦でいたい」という男女共同参画意識の高まりがある一方「家族を養いたい」という意識も根強く持っているねじれ構造があるということも分かりました。 中流の生活を男性ひとりの働きで支えるのが難しくなっている今、女性にも「家族のために働き続ける覚悟」と男性にも「本気の家庭への参画」が求められています。そのためには結婚や出産をしても働きやすい職場づくりと、性別役割分業意識からの解放が、結婚をとりまく課題解決の鍵となるのではないでしょうか。 そんな社会の実現には、親世代の理解と協力が欠かせません。子どもや孫が、仕事と家庭生活の両立をがんばろうしていたら、「私らの時代は…」という言葉は封印して、ぜひ応援してあげてくださいね。

(一般財団法人大阪市男女共同参画のまち創生協会 杉浦 愛)
※4月より新しい財団名となり、愛称は「大阪市男女いきいき財団」です。よろしくお願いいたします。

<連載 第14回>男女共同参画トピックス「こころの健康を大切に」 (平成25年5月発行)

<5月の風物詩?>
ゴールデンウイークも終わり、さわやかな季節がやってきました。4月に環境が変わったという方も、ちょっと落ち着いてきたという頃でしょうか。けれど連休明けのこの頃から一気に疲れが出てきたり、なんだかやる気が出ない…と、なんとなく落ち込んでしまうことがあります。いわゆる「五月病」と呼ばれているものですが、深刻なものは適応障害やうつ病へと悪化することもあるので要注意です。 「うつ病」などの気分障害で病院にかかった人の数は、厚生労働省の調査によると、平成8年度では43万3千人でしたが、平成23年度には95万8千人と2倍以上になっています。年間3万人を超える自殺者のうちの約4割がうつ病によるものであり、平成22年度からは国を挙げてのうつによる自殺対策プロジェクトチームも立ち上がりました。

<女性のうつ>
また、うつ病は世界的に見ても女性の方が多い病気の一つです。一昨年の調査でも女性の受診率は男性の1.6倍となっており、女性の4〜10人にひとりは一生のうち1回はうつ病にかかるといわれています。女性ホルモンの働きが大きく関係していて、思春期から妊娠・出産時、閉経といったホルモンの波に一致して、月経前症候群の落込みや産後うつ病、更年期うつ病など女性特有のうつがあることは知られていますが、ホルモンの影響だけでなく、女性のライフステージの変化やとりまく環境が大きく変わるといったストレスがきっかけになることも多いようです。 30年前ならば結婚するか子どもを産むまでは働いて、その後は専業主婦として家事と育児を、というのが標準的な女性の生き方でしたが、現代の女性の生き方は、どのような職業に就くか、結婚するかしないか、いつ子どもを産むか産まないかや、仕事を続けるか続けないかなど、さまざまな選択肢が増えました。選択肢が増えて女性の人生に可能性が広がったことは素晴らしいことですが、その分どのように生きるかを自分で選び取らなければならない責任が増えたともいえます。「自分の選択は合っていたのかな?」「私はこの選択をして本当にいいのか?」と迷うことも、現代女性だからこその悩みやストレスかもしれませんね。

<上手なストレス発散のために>
ストレスは、大きな出来事がきっかけになることもあれば、日々の小さなモヤモヤが自分で気づかないうちに蓄積していくこともあります。あまり知られていませんが、自分にとって嬉しい変化(昇進や転職、結婚や引越しなど)でもストレスの原因になります。自分のちょっとしたストレス反応に敏感になり、上手にストレス発散することが大切です。 おすすめしたい方法は、自分がストレスを発散できる方法をメモしておくこと。心身が疲れているときは何をすればいいか思いつくこともしんどいからです。できるだけ具体的に書いておくと迷いません。例えば…「好きな韓流のビデオをいっき見する」「カラオケで美空ひばりを熱唱する」「友達と喫茶店でおしゃべりする」「野菜を大量にみじん切りをする」などなど、自分だけに効くオリジナルの「元気になるリスト」を持っておけば、気がのらなくても、とりあえずリストどおりにやってみることで気分を切り替えるきっかけになります。 自分で切り替えるきっかけをつかめないときは、クレオ大阪の「女性総合相談センター」などの悩み相談を利用することも忘れずに。リスト(の最後の方にでもいいので!)に加えておいてはいかがでしょう。 かといって、ストレスがまったくない人生もつまらないもの。ストレスは人生のスパイスでもあります。上手にストレス発散しながら「ぼちぼち」やっていきたいものですね。

(一般財団法人大阪市男女共同参画のまち創生協会 杉浦 愛)
※4月より新しい財団名となり、愛称は「大阪市男女いきいき財団」です。よろしくお願いいたします。

 

<連載 第13回>男女共同参画トピックス「女性のつながり力」 (平成25年4月発行)

<出会いの春>
すっかり春ですね。入園、入学、進級、就職、転勤…自分や家族が学校や職場に属していると、春は新しい出会いの季節となることが多いです。「私にはもうそんなイベントすっかり縁がないわー」と思っていても、なぜでしょう、春はなんだか新しいことが始まりそうな、良き出会いがありそうな予感がしてワクワクしませんか?
桜の開花がそうさせるのか、春の日差しがそうさせるのか、クレオ大阪の講座も春に開講する講座は申込みが多いのです。「新しいことでもいっちょやってみようか!」という気分になる季節みたいです。

<女性のコミュニケーション力>
私はふだんクレオ大阪で講座運営の仕事をしています。初めて参加する講座、知らない人ばかりで緊張している参加者たち…と思いきや、受付してから開講までのわずかな時間でもうおしゃべりに花が咲いている…それは必ず女性たちなのです。
男性ばかりの講座では、なかなかこんな場面はありません。自己紹介してワークして時間をかけて手間をかけて参加者同士が少しずつ話すようになります。それにくらべて女性のコミュニケーション能力の高さといったら!いわゆる「大阪のおばちゃん」といわれる年配の女性だけではありません。子育て世代に人気の講座では受講者ママたちは仲良くなってランチ会、子どもの預け合い、喪服の貸し借りまで。20・30代女子向けの座談会イベントでは初対面同士でも毎回大盛り上がりで仕事の人間関係からプライベートまでセキララな話に担当者はちょっとドキドキするほどです。

<つながり上手の秘訣は?>
そんな女性たち(特に大阪?)のコミュニケーション上手の秘訣は「自己開示」能力の高さではないかと思っています。
「自己開示」とは心理学用語で自分の情報(感情、経験、人生観など)を他者に言葉で伝えることをいいます。自己開示をされた相手も受けた自己開示と同等程度の自己開示をするという効果(自己開示の返報性)があるといわれています。つまり、相手に年齢を教えたら相手も年齢を教え、悩みを話せば相手も悩みを話しはじめるといった感じです。
もちろん初対面でいきなり「実は夫の暴力がひどくて」とか「借金が300万あるねん」とか、深刻な悩みを話す人はいませんし、相手もびっくりして敬遠されます。仲が深まる段階に沿った自己開示でないと返報性の効果は期待できません。おそらくその自己開示の「さじ加減」が、大阪女性は「絶妙」なのではないではないでしょうか。
そうして徐々に人間関係が深まっていくと、日常生活が生き生きしてきます。自己開示には感情をはき出すことで気持ちが浄化されたり、話すうちに自分の態度や意見が明確にまとまったりする効果があるからです。自分の悩みを口に出してみることで、自分の中から解決策が浮かんできたり、解決のための情報が入ってくることも珍しくありません。話すことで悩みが緩和され、すっきりする。大阪女性が元気といわれるのはもしかしてこのせいかも…?

<大阪独特のアイテム!?>
そして、それを後押ししているアイテムだと私が思っているのは「あめちゃん」。大阪生まれ大阪育ちの私は、お母さんやおばちゃんのかばんには、あめちゃんが入っているものと信じて疑わず育ちました。知らない人同士でもあめちゃんを交換すれば仲良くなれる魔法のアイテム。「あめちゃん・コミュニケーションで地域活性化!」「あめちゃんでつながり力アップ!」なんだかこんなタイトルの講座ができそうな気がしてきます。

地域で活動される読者の皆さま。困った人をほうっておけない大阪女性のコミュニケーション力、そしてあめちゃんひとつで仲間づくりができる「つながり力」を活かせば、ますます地域を活性化していけるはず。女性の相談や交流スペースもあるお近くのクレオ大阪を十分に利用していただきながら、これからも「つながり力」の発揮を期待しています!

(一般財団法人大阪市男女共同参画のまち創生協会 杉浦 愛)
※4月より新しい財団名となり、愛称は「大阪市男女いきいき財団」です。よろしくお願いいたします。

 

<連載 第12回>男女共同参画トピックス女性大阪 (平成25年3月発行)

〈その日を覚えていますか〉
 3月11日。私たちが決して忘れてはいけない日付となって3年目です。 東日本大震災。2011年3月11日金曜日。午後2時46分。日本は一変しました。みなさんはこの10分前、1時間前、あるいはその日の朝・・・何をしていたか覚えていらっしゃいますか?「先のことは分からない」。人生のありとあらゆる場面で感じるこの言葉はしかし、3月11日を思うとき、さまざまな感情がないまぜになって心に深く響きます。あの大震災で何も感じなかった人は日本でおそらく一人もいないはず。たとえ被災していなくても、家族や知り合いがいなくても、東北に一回も行ったことがなくても「自分にできることは何だろう」という思いに駆り立てられたはず。大袈裟でなく本当にそう思います。

〈ニーズに即した支援〉
 復興は現在も進行中です。長い道のりであることは誰もが知るところ。そして時間が経てば被災直後には見えなかった問題が噴出し、複雑化していきます。支援の方法や種類もその都度、変えていく必要があると思います。女性協会では震災直後から、女性の被災者へのサポートをスタートさせました。募金集め、チャリティーイベント、被災地での相談会の応援の他、現地の避難所やボランティア団体と連絡を取って女性たちのニーズを探るとともに、防災と復興に女性の視点を持つことの重要性をシンポジウム、報告書、ホームページ等で呼びかけてきました。この「女性大阪」でも数回のシリーズで掲載させていただきました。
 現在は大阪へ避難されているお母さんと子どもたちのサポートに力を入れています。(「避難ママの元気アッププロジェクト」)これは、自動車で名高いトヨタの企業財団(公益法人トヨタ財団)の助成金を得て、地域の支援者の方々とコラボしながら実施しています。参加者には夫や親とも離れて見知らぬ大阪に住んでいる方も少なくありません。子どものためと今は踏ん張れるでしょうが、悩みや不安は尽きないと思います。今後も「避難ママ」のサポートは継続していく予定です。もちろん同じ方法ではなく、常に今求められている支援を提供できるよう努めてまいります。女性会の皆さまも引き続きのご支援をお願いいたします。

〈4月1日から名称を変更します〉
 さて、皆さまにお知らせがふたつあります。ひとつは「財団法人 大阪市女性協会」の名称を4月1日から変更し、「一般財団法人大阪市男女共同参画のまち創生協会」として新たな出発をするべく準備をすすめております。この名称変更により私たちの理念である男女共同参画社会の実現に「より良い地域社会の実現」が加わります。少々長すぎて分かりにくいと思われるかもしれません。ですから日常的に使用できる分かりやすい愛称も考えました。これは4月1日以降にホームページ、広報物等で発表いたします。
 そしてもうひとつ。今月でこの「男女共同参画トピックス」の筆者が交代します。平成23年3月から男女共同参画を多方面からお伝えしてきました。DV、ピンクリボン、韓国の女性事情、統計資料などジャンルの枠を越えて書いてきましたが、正直、災害・防災を立脚点に男女共同参画を論じるとは思いませんでした。図らずも・・といったところですが、でも人生のどんな場面においても、たとえ悲しい出来事に遭遇しても男女はお互いを尊重し、援け合い、均等に平等に利益と責任をもって社会で活躍していこうとする男女共同参画の基本理念を示す機会を得られたと思っています。毎月、貴重なスペースを提供してくださった編集部の方々に感謝いたします。同僚にバトンタッチしますので、引き続きよろしくお願いします。
 そして何よりも読んでくださった皆さまに心から御礼申し上げます。ありがとうございました。

(財団法人大阪市女性協会 西村通代)

<連載 第11回>男女共同参画トピックス(平成25年2月発行)

〈セミナー講師になりたい〉
 数年前、北館で「プロ講師になろう塾」というセミナーが実施されました。平日の夜でしたが、定員を何倍も上回る申し込みをいただきましたが、セミナー講師の熱は今も衰えていないようです。特に小さな子どもを持つお母さんにとって、マイペースで仕事ができそうなイメージから惹かれるのだとか。確かに労働時間を自分で決められることは大きな利点です。しかし、メリットというのは背中合わせにシビアな面もついていますから、楽一辺倒とはいかないでしょう。それでも仕事として「講師」を思いつくとは、それだけ人に教えられるほどのスキルや得意分野、資格を持っている証拠ですから、温存しておくだけではもったいない。どんどん活用していただきたいです。

〈思い立ったらチャレンジ相談〉
 教える≠収入にしたい、でもどこから手をつけたらいい?糸口さえ見つからない、という方には女性総合相談センターの「チャレンジ相談」をお勧めします。ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士、キャリアコンサルタントの資格を持つ相談員がじっくり訊いて情報を提供したり、実行までの道筋を一緒に考えます。企業や自治体のセミナー講師としての経験も豊富ですので、教えるときのコツ、コミュニケーションの取り方等も伝授します。また保育士として活躍していた相談員もいますから、子育てとの兼ね合い、仕事と育児、夫や実家に話しても聞いてくれないとお悩みの方もどうぞ。
  今までにやったことがないことに取り組むのですから、不安感が先行するのはもっともです。だからこそ、知識と経験を持つ相談員を味方につけて、煮詰まり気味の思考を少しずつ解きほぐしていただきたいです。(当たり前すぎて書くこともないと思いましたが)相談した内容は相談員と相談者当人だけの共有。時々、相談の経緯詳細を尋ねる電話もありますが、一般のスタッフが知り得るはずがありません。相談は「例外なく秘密厳守」なのです。
  チャレンジ≠ヘまず他人に伝えることから始まります。予約、お問い合わせは女性総合相談センターまで。ウェルカムの基本姿勢でスタンバイしています 。

〈クレオ大阪のセミナー〉
 さて、セミナーといえば忘れてはいけない、「クレオのセミナー」。開館以来の看板事業であり、メインテーマは「男女共同参画」。男女が性別役割に固定されることなく、平等に社会で活躍できる機会が確保され、お互いの個性を尊重し、共に援け合っていこうとする理念です。でも、クレオ大阪が伝えたいのは言葉の意味だけではありません。
 私たちの暮らしの全てといってもいい場面で男女共同参画の取り組みが必要であり、セミナーの受講を通じて実践してほしいという主旨のもと、各館で多種多様な切り口、見地から企画、実施しています。セミナーの企画は日常生活のありとあらゆる場面、たとえば仕事、地域活動、家庭、子育て、健康などみなさんが抱えている問題、課題を紡ぎ出すところからスタートします。
 「男女共同参画セミナー」は儲けや利益を追求する事業ではありません。無料の、しかも連続もののセミナーに毎回来るのは言うほど容易くないでしょう。時間と都合をやりくりして来てくれるのは受講者一人ひとりの「意志」と「気力」、そしてクレオのセミナーへの「期待」があるからだと思います。それは企画担当者の職業意識を強くする原動力でもあります。みなさんの日々の暮らしとライフスタイルがより充実していくために、「年齢に関係なく成長を感じられるようなヒントや、(受講者同士が)つながる場を提供したい、何より楽しい時間を過ごしてほしい」が私たちの「次を創る」モチベーションなのです。
  全館のセミナー情報は男女共同参画情報誌「クレオ」に掲載しています。特集、統計調査についてもぜひお読みください。市内の図書館、主要施設にも置いていますので一度、お手に取っていただければ幸いです。

(財団法人大阪市女性協会 西村通代)

<連載 第10回>男女共同参画トピックス(平成25年1月発行)

〈新年のご挨拶!?〉
 みなさま、明けましておめでとうございます。昨年中も、クレオ大阪にひとかたならぬご支援をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。本年もみなさまのご健康とご多幸をお祈りいたしますとともに、クレオ大阪へ変わらぬご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
と、120字以上も費やして「申し上げます」を連発しての新年の挨拶を綴ってみましたが、どうにも気分が入らない・・何故ならば原稿を書いているのが2012年の12月だからです。

〈未来のみなさまへ〉 
 この原稿の締め切りはいつも通りの前月の半ばで、掲載までの期間も通常と変わらないのですが、年をまたぐと思えば何やら不思議な気がします。書き手は2012年にいて、読み手は2013年にいる・・・ということは、少しばかり大袈裟に書けば、私は未来にいるみなさまに向けてメッセージを発信しているのですよね。それからみなさまは2012年12月現在、日本を賑わせているあれやこれやの結果を既にご存知でもいらっしゃる。どうでしょう、2013年の年頭に日本が少しでも良い年になりそうな兆しはあるでしょうか?先行きの見通せない、どちらかと言えば暗澹とした方向に傾きがちな昨今ですが、2012年にいる者としては少しでも未来に希望を見出したい。年の瀬も押し詰まりつつある「今」だから尚更感じます。では、2013年もよろしくお願いいたします。みなさまが穏やかな新年を迎えておられますように・・・と、これで締めくくりとさせていただけると良いのですが、字数はまだまだ余裕あり。それにこれは「男女共同参画トピックス」ですから、男女共同参画に少しも言及しないで終わらせるわけにはいきません。(校閲が通りません・(笑)いや、ホントなんですよ)

〈男女平等度、日本は101位〉
 2012年の「男女共同参画」に関する特記すべきニュースといえば、スイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」による「世界の男女平等度ランキング、日本は101位」が挙げられます。女性の地位を健康、教育、政治、経済の主要4分野への取り組みをもとに測定している順位は、毎年世界中から注目されていますが、日本は主要先進国中、最下位レベルでした。ちなみに首位はアイスランドで、上位はフィンランド、ノルウェーなど北欧の福祉大国と呼ばれる国が連なっています。
調査対象135カ国のうち、世界的な見地からも健康医療と教育機会の男女格差は縮小傾向にあるのですが、問題は政治と経済の分野です。日本は際立ってこの二つの分野の格差が大きいのです。 
 101位という低い順位の原因もここにあります。政治においては女性議員が少ない、経済では管理職、役員といった中枢幹部の割合も男性の方が圧倒的に多いのが現状です。調査報告でも女性の教育レベルは高いにも関わらず、労働市場でうまく活用できていない、男女の雇用格差をなくすことで国内総生産は10パーセント以上増えるだろうと指摘していますが、そうだとしたら何とももったいない話だと思いませんか?

〈格差解消は戦略で〉
 日本は2020年までに指導的地位にいる女性の割合を少なくとも30%にするという目標を立てていますが、それには国家的な戦略と、賛否両論を前提とした議論が必要でしょう。男女間格差の放置は国全体から見ても、全世代の国民レベルからみてもマイナスでしかなく、結局は不幸な状況だといえます。
 男女共同参画のを推進するクレオ大阪としてもランキング結果は看過できないニュースでした。これはテレビのニュース番組のトップ項目には出ませんでしたが、重要性に変わりはありません。今後も関連情報は小まめにキャッチしてお知らせいたします。

2013年もクレオ大阪は男女共同参画を推進し、それが人々の生活と将来に影響を与えるものであることを手を変え、品を変え、分かりやすく、時には楽しく、変幻自在にアピールしていきたいと思います。
最後に改めて2013年もよろしくお願いします。

(財団法人大阪市女性協会 西村通代)

<連載 第9回>日本女性会議2012仙台(平成24年12月発行)

 女性の問題への取り組みと男女共同参画社会を築くことを目的に1984年から毎年開催されている日本女性会議が今年は仙台市で行なわれ、10月26日・27日に参加させていただきました。大会テーマは『きめる、うごく、東北(ここ)から』。震災からの復興に向けて女性たちが力を発揮するために、もっと行政や地域の意思決定の場に女性が参画して、意見や行動を社会に反映していこうと提言が成されました。

 震災後の避難所で秩序と礼節を失わず助け合っていた東北の方々が世界中で称賛されたことを覚えていらっしゃるでしょうか。確かにそれは記憶されるべき事実ではありますが、同時に知っていただきたいのは避難所の多くが男性主体で運営され、女性の意見や声は男性の後回しになっていたこと、困りごとや悩みは時として「贅沢」の一言で片づけられ、女性たちも集団の秩序を優先して耐えるしかなかったことです。会議では多くの被災された女性たちがパネリストとして出席されました。彼女たちの体験は、同性として聞くにはあまりにも過酷で、愕然となることも少なくありませんでした。

 多くの避難所では女性の視点はほとんど反映されず、支援物資の下着が全部同じサイズだった、生理用品まで男性が管理していた、女性用更衣室が避難所の真ん中に作られて、小窓にはカーテンがなかった、別居中の夫の横に配置された、小さな子が泣くと女親のせいだとばかりに責められたなど心理的負担、身の置き所のない辛さは枚挙に暇なく、会場からもため息がもれるほどでした。

〈もっと女性の参画を〉
 また被災地では何かと「家族だから」でひとくくりにされて女性の個々の事情が省みられず、相談できる機会がなかったり、いわゆる地縁・血縁意識が強い土地では家事、育児、介護を一手に担っているばかりか身を寄せて来た親戚の世話までしているケースもあり、性別役割分担意識が固定化しているようです。
災害時に直面した女性の困難を軽視すべきではありません。なぜならそれは人権問題にも関わってくるからです。防災、避難にも男女共同参画の視点が必要です。いや非常時だからこそ女性の意思が取り上げられるようにしなくてはいけません。 会議での数々の報告は災害が起きれば女性の生存権は脅かされると理解するに充分でした。支援団体の方から震災直後の混乱の中で左手の薬指が切り落とされていた女性の遺体が見つかった、何故か?指輪を盗るために・・・と聞いたときには尊厳さえも踏みにじられるのかと慄然としました。

〈忘れないでいる大切さ〉
 パネリストの一人に南三陸のホテルの女将さんがいました。客室を避難所として解放し、現在も街の復興に尽力されている方ですが、震災の翌日、海から昇る朝日を見て希望が湧いてきたそうです。街を飲み込み、全てを破壊した自然の無慈悲さを恨むのではなく、希望を見出した女将さんの気持に胸を打たれた思いがしました。
会議の席上で出席者がそろって発言していたのは「被災地のことを忘れないでほしい」でした。漁業、農業、インフラの整備も進まず、廃業も相次ぐ東北の被災地に暮らしている方々は、せめて3・11前の状況に戻そうと必死の闘いを続けています。しかし、そこに原発の風評被害が追い討ちをかけているのです。宮城、福島産というだけで農作物が買い付けを拒否されたなど風評被害が復興にどれだけ妨げとなっているか、私たちは正しい情報と現状を知らなくてはなりません。 
私たちは今後も復興への支援を続けましょう。そして、女性が社会を変える影響力をもっと持つために政治、行政、産業、コミュニティ等あらゆる分野での意思決定のプロセスに参画していくこと、それに値する女性の資質を育てることの重要性を自覚しましょう。被災地での女性の困難と課題は決して他人事ではないのです。

(財団法人大阪市女性協会 西村通代)

<連載 第8回>11月はクレオのフェスタへ(平成24年11月発行)

年がら年中、何かやっててナンボ≠ネクレオ大阪ですが、中でも最大級なのが「フェスタ」です。
イタリア語で「お祭り」を意味する通り、全てのクレオが全館・全室・全スタッフを使って1日丸ごと皆様に楽しんでいただきます。
クレオの「フェスタ」は、もとは各館の創立祝いからスタートしました。それぞれの館がオープンした月、例えば北館は9月、南館と中央館は10月、西館は11月、東館は2月に行なっておりましたが、クレオ5館の一体感を出しつつ、皆様に参加していただきやすい時期ということで、近年は10月から11月に集中して開催されるようになりました。この「女性大阪」が出る頃は、南館と東館のフェスタは終了していますが、中央館(11月10日)、北館(11月10日)、西館(11月17日)と次々開催しますので、お近くにお住まいの方もそうでない方も気軽にお越しください。中央と北が同日開催ですが、北は「起業フェスタ」として起業の専門家による個別相談、広報に欠かせないソーシャルメディアをテーマにした講演会などを行ないますので、皆様の身近に起業を考えている、または起業したという女性がおられましたら、よろしくおすすめくださいませ。〈特に西館をよろしく〉

そして西館。当コーナー担当の役得(?)をフルに活かして、私の勤務先でもあるクレオ大阪西の「フェスタ」の宣伝を重点的にさせていただきます。
『地域のあしたみんなでつなごうクレオ西』のいキャッチコピーが示す通り、いつも西館をご利用いただいている地域の皆様と一緒に知恵と力を出し合って創り上げました。詳細はチラシ、ホームページ等でチェックしていただきたいのですが、目を引くといえば「けん玉名人」。今や単なるレトロな遊具ではなく、集中力とバランス感覚を養う効果ありと認められて、学校の授業や放課後の学童保育に取り入れられているけん玉。17日は日本けん玉協会が認定した名人が鮮やかなパフォーマンスを披露します。 その他にも西館を利用いただいているグループ、サークルの皆様による一日体験教室、日頃の練習の成果を発揮するダンスや音楽もお楽しみに。此花区伝法の女性会は大正琴の演奏と民踊でご参加いただきます。

さて17日は此花区で「健康・エコ・にぎわい」をテーマにして、区内の施設をめぐるスタンプラリーが実施されます。クレオ大阪西・此花区役所・此花区民ホールの3か所でスタンプを押してもらったら此花区のマスコットキャラクター・このはちゃんのオリジナルグッズをプレゼント、中身は当日まで秘密。どんどん来てください!

〈女性も男性も地域の活性化をめざして〉
何のために一日丸ごと全館を使ってフェスタを行なうのか?それは来館してくださる方々がクレオで学び、遊び、楽しむことで、自分たちが住まう地域に親しみを持ち、助け合いと活性化への意識を強くしていただきたいからです。
平成6年のオープンから数年は、フェスタは著名人の講演会を開く等、人が集まることをメインにすえていました。催しものもスタッフだけで考えていましたが、現在は「地域に根ざす施設」として利用者と地域の有志の方が実行委員会を立ち上げ、クレオのスタッフと一緒に創り出す市民協働イベントとして企画、運営されています。
〈女性会の応援に感謝?〉
さて、この新聞は女性会の皆様が主な読者ですから・・・というワケではありませんが、フェスタに女性会の協力は絶対に欠かせません。市内各区で年間を通じて数え切れないほどのイベント、勉強会、啓発活動を展開している女性会が、毎年快く参画していただき、特にチャリティバザーでは前日の準備も当日の販売もちゃっちゃっと手際よくさばく様子に、クレオのスタッフ一同、感心するとともにすっかり安心しきっております。今年もお世話になります(特に西館(^_^))。
よろしくお願いします。

(担当:財団法人大阪市女性協会 西村通代)

<連載 第7回>大阪ピンクリボンキャンペーン2012始まります(平成24年10月発行)

<知る・伝えるピンクリボン>
9月1日から来年3月8日まで「大阪ピンクリボンキャンペーン2012」が大々的に展開されます(大阪市女性協会主催)。10月1日にはあの通天閣がピンクにライトアップされますので、この新聞をご覧になる頃にはご存知の方も多くいらっしゃるでしょう。
期間中はマンモグラフィー検診の実施、リーフレットの配布、ピンクリボンバッチの販売、図書・情報コーナーでブックフェア、女性の健康に関するセミナーを開いたりと多方面に取り組んでいきます。なかでもマンモグラフィー検診は中央、北、西、南のクレオ各館と指定病院の他に、本町にあるハードロックカフェ大阪でも10月14日の「御堂筋KAPPO」に合わせて実施します。若い人たちにはおなじみのロックなレストランで、乳がん検診を行なうのは画期的ともいえます。

<早期発見には早期検診ですが…>
乳がんは早期に発見すすれば高い確率で治ります。乳がん経験者の方も「検診」の大切さを提言しています。にも関わらず日本の受診率、ことにマンモグラフィー検診の受診率は先進国の中で最低レベル(図@)。熱心に草の根的活動をしている方々からにすればため息をつきたくなる状況ですが、では日本の女性が乳がん検診を受ける必要性を感じていないのかといえばそうではなく、むしろ多くの女性が必要だと感じてもいるし、他人事とは思っていないという統計もあります。

<時間がない?高い?痛い?>
検診に行かない理由は「毎日忙しく時間がない」「費用が高い」が多く挙げられています。また気持の問題として「マンモは痛い」の意見も。確かに乳腺の多い(乳房の大小は関係なし)若い方は痛みがあるかもしれません。かく言う私もプラスチックの板に圧し挟まれてぺったんこになったわが乳房を見たときはひっくり返りそうになりました。痛さも相当でしたが、しかしそれも数分。「痛そう」、「怖いから」という気持を否定はしませんが、よく考えてみてください。もしがんが発見されたとして、それからの心身の痛みに比べれば検診時の数分のガマンなど何でもないはず。たとえ万が一の結果になっても早期発見ならば治療も的確に効いて、高い確率で治癒できるのですから。

<死亡者数は増加傾向>
厚生労働省の統計によれば乳がんによる死亡は増加傾向にあります。30年前に比べると約3倍(図A)。しかも30代から50代の年齢層では女性の死因第1位が乳がんです。これは本人はもちろん、家族、友人にとっても悲劇的であるばかりではなく、社会全体からみても大変な損失だといえます。
〈年に1回は検診、月に1回は自分でチェック〉
自治体の補助がない40歳以下の方が自費で検診に行くのは難しいかもしれませんが、せめて月に1回でも自分でチェックしてみましょう。そして少しでも「あら?」と思ったら、そのときはためらわず検診を受けてください。
「大阪ピンクリボンキャンペーン2012」は若い世代に受診を促すことを大きな目的にしています。これを利用しない手はありません。乳がんのこと、ひいては自分の健康について気に掛けるチャンスにしてほしいと思います。

<女性の活躍は健康がベース>
男女共同参画の実現を推進するクレオ大阪がピンクリボン運動を応援するのは、女性が多くの分野で活躍し、男性と力を合わせて住みよい社会を創るためには「健康であること」も大事な条件だと考えるからです。がんは非常に深刻な病ですが、その中にあって乳がんは早期に発見すれば治癒率の高いことが証明されています。「私は健康で、自覚症状もない。乳がんとは無縁」そう思われている方は尚更、受診していただきたいです。検査の結果「異常なし」ならば、ただの思い込みではなく、根拠ある自信になるのですから。

(担当:(財)大阪市女性協会・西村通代)

<連載 第6回>応援します!ママの再就職 女性の力を社会の力に・クレオ大阪中央『ママ再就職フェア2012』(平成24年9月発行)

<女性たちの潜在力>
 先ごろ発行された『平成24年版男女共同参画白書』では、25歳から49歳を中心に342万人もの女性が、現在就業しておらず、求職活動もしていないものの就業を希望しているという統計データがありました。 日本では、少子高齢化の進行とともに、経済成長と労働参加が適切に進まなかった場合、2030年には就業者の数は2010年と比べて約850万人も減るだろうとの推計がなされています(厚生労働省)。しかし、若者や女性、高齢者の働き手を増やせば、就業者数の落ち込みは210万人程度に抑えられるそうなのです。
先に述べた342万人という数字が女性労働力人口2768万人に対して占める割合は12.4%で、女性の力は大きな潜在力となっています。

<働くことについての意識>
大阪の現状はどうでしょうか。平成22年度にクレオ大阪研究室が実施した『就労に関する市民意識・実態調査』の結果では、働いている理由として「生計を支えるため」と回答した女性たちの割合が上昇し、3割を超えました。また、「働くのは当然」との回答が女性全体で11%と、男性の13%に近づいており、特に正規社員・職員では、前回(平成15年度)の14%から22%へと上昇していることから、働くことに対する女性の意識の変化をうかがい知ることができます。 また、働いていない20代から40代の女性たちをみてみると、その理由は「家事育児に専念したいから」が1位です。20代、30代では「どんな仕事でもいいから働きたい」「希望する条件の仕事があれば働きたい」「今は無理だが将来は働きたい」の回答した女性の割合は合計で8割を超えています(グラフ参照)。

<再就職を実現するために>
こうした女性たちの再就職を阻むものは何でしょうか。同じくクレオ大阪研究室が20代から30代の既婚女性を対象におこなったWeb調査(平成19年度『20代〜30代女性のライフスタイルと再チャレンジ(再就職)に関する調査研究』)では、求職者が再就職で重視することのトップは「勤務時間」、次いで「仕事の内容」「勤務場所」でした。
一方、求人情報会社のヒアリングからは、企業が求職者に望むことは雇用形態や職種に関わらず「仕事観」「仕事に対する取組み意識」「ヒューマンスキル」などであり、その重要性が強調されていました。
求職者が「融通の利く勤務時間」を望む背景には、配偶者、パートナーの平均帰宅時間が21時前であり、育児や家事を手伝ってくれる人が配偶者やパートナー以外に「いない」人が約半数を占めているという現実があります。しかし、企業の側からは、仕事に対する消極的な態度と受け取られ、敬遠される理由のひとつとなっているといえます。
こうした求職者と企業のニーズのギャップを埋め、再就職をめざす女性に、就職に必要な情報やスキルを身につけていただこうと、クレオ大阪中央では『ママ再就職フェア2012』を開催します。参加者の交流会や働く女性を応援する試供品を提供するコーナーもあります。
今すぐ働きたいわけではないけれど、「このままでいいのだろうか・・・」ともやもやした気持ちをもつ方には、「チャレンジ相談」もあります。こちらは女性総合相談センターまでご連絡ください(連絡先は上をご覧ください)。
企業に求められる「ヒューマンスキル」とは主体性や意欲、コミュニケーション力が問われているものです。子育てに専念している期間であっても、その必要性を意識することができれば、地域活動や社会生活を通じて人と関わることで、習得することが可能なものです。
働くことに不安を感じる方も、まずは、地域活動や社会生活の中で自分が経験してきたことの棚卸しから始めてみませんか。

(担当:(財)大阪市女性協会・水本梨恵)

<連載 第5回> まちづくりと女性B 韓流・女性にやさしいまちづくりソウル市「女幸プロジェクト」<女幸(ヨヘン)プロジェクトとは>(平成24年8月発行)

今回は、お隣の国・韓国ソウル市での取り組みをご紹介します。ソウル市では、2007年から「女性が幸せな都市プロジェクト(女幸プロジェクト)」に市をあげて取り組んでいます。 これは、女性が経済的に困窮することなく生活できる、つまり働く場のあるソウル、自己啓発のために余暇や文化を楽しむことができるソウル、安全・安心に、便利で快適な都市生活を送ることができるソウル――このような、女性が幸福に暮らせる都市をめざして、さまざまな施設や設備、サービスの改善を進めているものです。 公共の分野での取り組みに加えて、民間の職場などでの取り組みも含まれていることや、市民との協働で取り組んでいることが大きな特徴です。
プロジェクトの推進にあたっては、女性のニーズから、「子育て」「仕事」「文化」「安全」「便利」という5つの領域で具体的な取り組みを進めています。 例えば「安全」については、都市の危険、犯罪、環境汚染から女性の社会的安全を確保するもので、夜道の安全の確保、性暴力やDVの根絶、都市で安全な空間を確保できない女性たちのための多様なサービスを支援しようとしています。
女性優先駐車スペースもそのひとつで、地下駐車場の場合は防犯カメラでよく監視でき、通行が多いところに、屋外駐車場では出入り口や管理員と近い場所に、女性が優先して駐車できるスペースが取られています。
また、女性が安心してタクシーが利用できるように、女性専用コールタクシーというシステムもあります。

<地域住民の参画によるまちづくり>
地域でのプロジェクトの推進にあたっては、地域住民から成る「女幸フォーラム」が大きな役割を担っています。各自治区のメンバーは、70名から100名ほどで、地域に愛情や関心のある主婦、区議会議員、大学教授、小中高の学校運営委員長、女性団体など多様な分野の女性が参画しています。 実際の活動の様子は、プロジェクトを地域ですすめるための方法をまとめたガイドブックで段階別にわかりやすく紹介されていて、初めて参加する女性にとっても、楽しく参加できそうな印象を受けます。メンバーが集まって、まちについて話し合い、現場へ出かけて調べ、調査結果を分析し、区民に知らせて区役所の担当者に改善のための提案をし、その後、実際に区政に反映されたかモニタリングをする、という流れになっています。
大阪市では、市政改革のなかで、区と地域住民との距離がこれまでよりも近くなろうとしています。ソウル市の事例のように、地域で住民自身が体験し学び、活動することで、自分たちが必要とするものを区に要望することは、自分たちの手で地域をよりよく変えていくための方法のひとつとして、女性会の皆さんや町会などでも役立てていただけるのではないでしょうか。
クレオ大阪中央では、「韓国語で読む韓国女性事情」セミナーの中で、このプロジェクトを地域ですすめるための方法をまとめたガイドブックの一部を翻訳しました。平成22年度にクレオ大阪研究室が実施した「日韓・男女共同参画のまちづくりフォーラム」で講演されたソウル女性プラザの方からいただいた資料で、セミナー受講者の皆さんが翻訳されたものです。まもなくクレオ大阪中央の情報・図書コーナーに設置する予定ですので、ぜひご一読ください。ソウル市の男女共同参画についてのデータなどもあり、学習会の教材としてもおすすめです。興味をもたれた方は、クレオ大阪中央までご連絡ください。

(担当:(財)大阪市女性協会・水本梨恵)

<連載 第4回> “まちづくり”と女性A”ママの視点でチェック ベビーカーでまち歩き・防災編  (平成24年7月発行)

前々回はクレオ大阪研究室が実施した東住吉区でのプログラムをご紹介しましたが、今回は西区での取り組みをご紹介します。大阪市内中心部では0〜9歳の子どもをもつ世帯が増加しており、西区でも同様です。そこで、クレオ大阪研究室では、子育て中の女性を対象として、防災の視点でのまち歩きプログラムを実施しました。

<プログラムのねらい>

東日本大震災以降、防災についての意識は高まっているものの、非常時への備えはまだ十分とはいえません。昼間は女性が子どもと二人でいる場合が多く、地域のことをよく知る女性が主体的にまちづくりに参画することは非常に重要です。
このプログラムでは、「防災」をテーマに、まち歩きと交流会を通じて子育てママどうしの交流の機会を提供しながら、女性がまちづくりに参画することの大切さを理解していただくことをめざしました。

<当日の様子>
プログラムの企画、実施は、地域の子育て支援NPO法人「あそびのお部屋シュッポッポ」との協働でおこないました。ベビーカーでまち歩きをしながら、避難の際に危険なところはないか、一時避難所はどこか、などを見た後、ふりかえりの交流会を実施しました。
当日は11組の親子が参加しました。出発前に西区役所の防災担当の方から西区での防災の取り組みについてお話しいただき、参加者の皆さんは自助、共助による日頃の備えの大切さを改めて感じていたようです。その後、ベビーカーで堀江から西区の区民センターまで歩きましたが、歩道に止められている自転車や工事中のビルなど、さまざまなものが気になる様子でした。
交流会では、「小学校の屋上にある防災スピーカーが本当に鳴るのか、聞こえるのかテストをしてほしい」、「オフィスやマンション、お寺などに避難できれば」、「マンション内で備蓄をしてほしい」、「避難所は足りているのか?」、「小学校は投票所なので、子どものいない人も知っている(避難所としてよい)」など、活発な意見が出ました。


<災害に強いまちづくりのために> 交流会
東日本大震災では、被害の大きかった岩手県、宮城県、福島県の3県で亡くなられた女性は男性より多く、女性の死者数の約4分の1が80歳以上となっています。災害のときに真っ先に被害を受けるのは、高齢者や子ども、障がいをもつ方々です。こうした方々の視点でまちをみることで、災害に強いまちづくりにつながる、それにはやはり女性の視点が必要だといえます。
今回は子育て中の女性によるまち歩きでしたが、女性会の皆さんで学習会を実施されるときなどに、ぜひ防災の視点でまちを歩いてみて、チェックしていただいたらと思います。
また、交流会では、「地域での防災訓練などにも参加したい」という声が出た一方で、「マンションなどで自分が声かけをして、でしゃばりと思われたくない」という声もありました。こういう時こそ、女性会の皆さんの出番ではないでしょうか。安全・安心のまちづくりをクレオ大阪と一緒にすすめていきましょう!

(担当:(財)大阪市女性協会・水本梨恵)

<連載 第3回> 子育てとワーク・ライフ・バランス   (平成24年6月発行)

イクメン写真コンテスト
 クレオ大阪では、平成22年度から「イクメン写真コンテスト」を実施しています。男性が積極的に育児に関わることに対する社会全体の理解を促進して、男性の育児を応援しようと、今年度もクレオ大阪の各館で、子どもさんとお父さん、おじいさんの心あたたまる写真がロビーいっぱいに展示されています。6月20日まで投票を受付中ですので、ぜひご来館ください。イクメン写真コンテストの情報はコチラ

イクメンの理想と現実
「イクメン」とは、子育てを楽しみ、自分自身も成長する男性のこと。または、将来そんな人生を送ろうと考えている男性のことです(厚生労働省の「イクメンプロジェクト」ホームページより)。
最近、この言葉はずいぶん耳になじんできたように感じますが、6歳未満の子どもがいる男性が家事関連に使う時間は1日のうち1時間、そのうち育児の時間は33分(総務省「社会生活基本調査」平成18年)と、他の先進国と比較して低い水準にあります(グラフを参照ください 出典:『男女共同参画白書 平成23年版』内閣府)。
クレオ大阪研究室が平成21年度に実施した「20〜30代働く男性の男女共同参画に関する意識と実態調査」では、既婚男性の場合、『日常における「仕事」、「家庭生活」、「個人の生活等」の優先度』について、理想では『「家庭生活」を優先』(26.5%)が最も高く、次いで『「仕事」と「家庭生活」をともに優先』(21.0%)となっています。しかし、現実には理想とのギャップがあり、『「仕事」を優先』(35.2%)が最も高い割合となっています。それでも、『「仕事」と「家庭生活」をともに優先』も28.2%と、2番目に高い割合を占めていて、「家庭生活」の優先度が比較的高い傾向にあることがわかります。
写真のお父さんの姿が特別な姿ではなく、日常の情景になっている、そんな家族が増えればと思います。

ワーク・ライフ・バランスを実現するために
また、昨年度は、『企業における「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」への取組み実態調査』を実施しました。
「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」が実現した社会とは、男女がともに、人生の各段階において仕事、家庭生活、地域生活、個人の自己啓発等、様々な活動を自らの希望に沿って展開できる社会であることとされています。
働く人にとって、子どもがいれば仕事と子育てとの両立が、男女ともに大きな課題となります。男性の場合は女性に比べて長い残業時間がワーク・ライフ・バランスの実現の妨げとなり、家事や育児に関われない原因となっています。
一方で女性の場合は、第1子の出産前後に退職する女性の割合は6割にのぼり、子育てが落ち着いた後、再就職を希望しても就労できない場合が多いという現実があります。働き続けたいと希望する女性たちにとっては、育児休業や短時間勤務などの制度があるだけでなく、それらが実際に取得しやすい職場風土であることが、安心して働き続けるための必要条件といえるでしょう。 
今回の調査では、ワーク・ライフ・バランスの推進に積極的に取り組んでいる企業では、それを推し進めようというトップの意識が明確に従業員に伝わっていることがわかりました。
また、業種や規模の大小、従業員の構成などによって求められる制度や取組みは異なることから、各社の事情にあった「わが社の」ワーク・ライフ・バランスを推進していくことが重要です。そして、働く人もまた、自分の生き方や働き方を自分で決めること、つまり「私の」ワーク・ライフ・バランスを考えることが大切です。
企業は従業員が自由に働き方・生き方を選択できるように制度整備等の支援をし、従業員は制度を利用しながら働く選択を自らが決定した責任として企業に貢献することが求められることから、働く人にとって、ワーク・ライフ・バランスとはやさしいだけではなく厳しいものといえるのかもしれません。

(担当:(財)大阪市女性協会・水本梨恵)

<連載 第2回> “まちづくり”と女性    (平成24年5月発行)

東住吉の女子学生とのまち歩き    安全・安心・〇〇なまち“東住み良し”マップ」

クレオ大阪研究室では、「誰もがいちばん住みたいまち・大阪」の実現をめざして様々な研究活動をおこなっています。

 昨年度は「地域における男女共同参画の課題解決支援プログラムに関する調査研究」に取り組みました。こう書くと堅苦しいですが、「安全・安心なまちづくり」を大きなテーマとして、東住吉区と西区でプログラムを企画・実施しました。
それぞれ「防犯」「防災」の視点でまち歩きをしながら調査したのですが、今回は大阪城南女子短期大学の学生さんと実施した東住吉区でのプログラムについてご紹介します。
東住吉区では、地域の課題として、近鉄南大阪線沿線やその周辺で街頭犯罪や子ども、女性を狙った犯罪が多発しており、被害者の多くは近鉄4駅(北田辺、今川、針中野、矢田)やその沿線を利用している割合が高いことから、この沿線を「犯罪撲滅ロード」と制定し、犯罪の撲滅に向けて取り組んでいます。

また、大阪府警のデータによると、大阪府ではひったくりの被害者の90%、路上強盗の被害者の63%が女性でした(平成22年)。特に、20代女性の場合は、被害にあう割合が他の年代よりも高く、これらのことから、安全・安心を切り口に、実際に駅や沿線を利用している大阪女子短期大学の学生さんにまちを見てもらうことにしました。これに加えて、若い女性にとっての東住吉区の魅力を考えることで、まちづくりにあまり関心のない層の女性にもまち
づくりや男女共同参画について関心をもってもらうことをめざしました。  

そもそも、なぜ女性がまちづくりに参画する必要があるのでしょうか。昼間、働いている人は職場へ行き、生活の場としてのまちにいるのは多くの場合、幼い子どもと655歳以上の方でしょう。大阪市全体の人口でみると、65歳以上の男女の割合は男性42.7%、57.3%、75歳以上でみると、37.3%、女62.7%となります(平成22年国勢調査)。数の上からも、女性がまちづくりに参画することはごく普通の、あたりまえのことと思われます。実際、まちにいる時間が長い女性の方が、男性よりもまちのことを詳しく知っているといえますし、女性会の皆さんのように、すでに多くの女性が地域活動の大きな担い手となっています。

これらの女性たちが、まちづくりについても積極的に発言し、ものごとを決める場に参画することが、女性のニーズへの理解、女性にとっても男性にとっても住みやすいまちへとつながります。
一方、まちにはそこを生活の場としている人だけでなく、そこに働きに来る人、学びに来る人もいます。こうした人たちにもそれぞれにあった形でまちづくりに参画してもらうことができるのではないか、長く暮らしている人が気づかなかった新たな魅力の発見にもつながるのではないかとも考え、まち歩きでの発見をもとに、学生さんに「○○なまち」の部分を考えてもらいました。

学生の皆さんの発見の中には、かわいい粘土細工の教室や、ハート型の石など、若い女性らしいものもありましたが、神社やお寺など、まちの歴史を感じさせるものへの関心もみられました。安全・安心の面では、大通りと路地の街灯の数や明るさの違い、静かで落ち着いている場所も、夜になると人通りが少ないため不安に感じるなど、多くの意見があげられました。
今回の調査研究報告書は、クレオ大阪中央の情報・図書コーナーにてご覧いただけます(「平成23年度 地域における男女共同参画の課題解決支援プログラムに関する調査研究報告書」)。また、学生さんの目でみたまちの様子は冊子にまとめられていますので、こちらもぜひご覧ください。(発行:大阪城南女子短期大学。クレオ大阪中央、クレオ大阪南で配布しています)

研究室では、今年度も引き続き地域での男女共同参画に関する課題を研究していきます。もし、お住まいの地域で何かの取組みをされていたり、これから始めたいと考えているマンションや自治会、町会などをご存知でしたらぜひクレオ大阪中央までお知らせください。もちろん女性会の方は大歓迎です!

(担当・財団法人大阪市女性協会 水本梨恵)

<連載 第1回> 被災地で「DV・夫婦・家族」の相談が増加中 (平成24年4月発行)

「津波で両親を亡くしました。一周忌を親戚からするように言われているけれど、しんどくて考えられません。」(Aさん
「自宅が津波で半壊。建て替えることに決めたが、夫は自宅に愛着があり、嫌がっていた。自宅を壊す日に、夫は車に乗ったまま帰ってこなくなった。警察に捜索願いをだしている。」(Bさん)
こんな相談電話が、宮城県での「集中電話相談」によせられました。

震災後、「家族の絆」が見直されました。 その一方で、仮設住宅や避難先で、被災者、特に女性が様々な不安・悩み・ストレスを抱えることや、女性に対する暴力が問題になっています。 また、直接の被災者以外にも、震災により過去の被害を思い出すなど、震災の影響により女性が悩みを抱える状況も報告されています。
国(内閣府)は、平成24年2月から3月まで、「東日本大震災被災地における悩み・暴力相談事業」を実施しました。 岩手、宮城、福島の三県に十一ヵ所の相談拠点を作り、電話と対面による相談を実施しました。 この相談を担当したのは女性の悩み相談や暴力被害者支援を行っている全国のNPOや男女共同参画センターなどの相談員です。 クレオ大阪女性総合相談センターからも、この相談事業に相談員1名が参加し、2月下旬の1週間、宮城県のエル・ソーラ仙台(仙台市男女共同参画センター)の相談会場で、電話相談を担当しました。

前述のAさんは、 40代の女性で、宮城県でも津波の被害が最もひどかった地域にすみ、現在は、仮設住宅で一人暮らしです。 『津波で亡くなった母親は、精神に障害があり、父親はアルコール依存症。両親の介護をしていましたが、当日は仙台市内にいて、私だけ一人助かりました。 父親の親戚から、1周忌の法要をいつするのかといわれるが、今の自分にはその気力がない』とつぶやいていました。

Bさんは30代で、津波で自宅が半壊。
『まだ小さい子どもがいるため、これからの生活のためには、家を建て替えたいと思っていましたが、夫は、生まれ育った家に愛着があり、また津波で漁業の仕事もままならず、先行きへの不安を抱え、うつ状態でした。話し合って、建て替えを決めたのに、その家をつぶす日から行方不明になってしまいました。このままどこかで自殺をするのではないかと心配でたまりません。』

この電話相談を大阪から出張して担当するにあたり、言葉の問題など、地元以外も者が担当できるだろうかと、相談員自身も不安を感じていました。が、前述のような相談を受ける中で、「地元の人じゃないからかえって気軽に相談できた」「大阪弁はテレビで聞いているので、好きですよ。」といわました。

また、クレオ大阪でも、福島県から大阪に避難している方を対象に、「原発賠償説明会+なんでも相談会」が、開催されました。(2月16日クレオ大阪南、2月24日クレオ大阪北 主催・大阪弁護士会)弁護士からの説明と個別相談の後、女性相談総合センターの相談員も「なんでも相談」を担当しました。 放射能から子どもを守るため、夫を残して大阪に母子で避難した方など、今後の生活や、父親の不在による子育の不安など様々な相談をお受けしました。

このような相談事業は、被災地で、そして避難先で、継続していく必要があります。そして、災害時における女性の悩み・暴力相談に関する知識・経験を日常の相談事業に活かしていきたいと思います。

どうぞクレオ大阪女性総合相談センターまで、 お気軽にご相談ください。

(担当・財団法人大阪市女性協会 田中陽子)